狂った針が時の記憶を刻む.07


「ああ、この部屋だ。過去に生徒が書いたレポートのデータが保管してある」

静真がそう言いながら、資料保管庫のドアを開ける。

「あの、わざわざすみません」

「構わねえよ。たまにはこの部屋も整理しないとならないしな。好きに見て、参考にしてくれ」

「はい。有り難うございます」

舞夜は部屋の中を見回して言った。

「本当に沢山ありますね」

「そうだな。この学院は設備も整ってるし、生徒もみんな研究熱心だからな」

棚にずらりと並ぶディスクを数枚取り、部屋にあるパソコンでデータを確認した舞夜が、感心したように口を開く。

「凄いですね。とても高校生の研究とは思えないものばかりです」

「……お前も高校生だろ?」

「え、ええ。それはそうなんですけど。高校生で、これだけ本格的に専門教育を受けられる所ってなかなか無いと思うので」

「ああ、そういう意味か」

納得したように頷いてから、静真は続けた。

「まあお前はまだ転入して来て間も無いんだし、気楽に書きたい事を書けばいいだろ」

「はい」

舞夜は返事をしてから、ふと微笑んだ。

「先程、翡翠先生にも同じ事を言われました。君の好きにやると良いって」

「……要が?」

「そういえば、お二人は仲が良いんですよね。だからでしょうか、何処となく似ているような気がします」

楽しそうに話していた舞夜の瞳が、ふと深みを増す。

「だからこそ、私のような者を気に掛けてくれるのでしょう」

「…………」

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