狂った針が時の記憶を刻む.12


鋭い瞳で腰に手を当てる。

「週末は列車が来る本数も少ない。ましてあそこに向かうなら、見付かる危険は減るだろう」

「そうですね。つい先程も地震があった事ですし、もう手段は選んでいられないでしょう」

それから、要が思い付いたように話題を変えた。

「そういえば海斗から聞いたんですが、春日さんも都市庁に目を付けられたかもしれないそうですね」

「ああ、今朝も何かあったらしい。まあ、本気で消しにかかる事は無いとは思うが、一応注意するようには話しておいた」

「全く、向こうも度が過ぎていますね。可愛い女子高生まで殺そうとするなんて」

言いながら、ふと窓の外を見た要が目を見張る。

「鎮真、あれは……」

ただ事ではない様子に、鎮真も振り向いて外を見る。

資料室がある校舎は校門からは距離があるが、建物の間をぬって丁度窓から外灯に照らされた門が見えた。

そこに人影がある。

高等部の制服を着た一人の少女と、そして。 

「あれは、まさか」

「急ぎましょう」

「ああ」

短く会話を交わし、部屋の外に飛び出す。

向こうの動きが早過ぎる。

昨日の今日で、二度目の接触をしようと摺るなんて。





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Reservoir Amulet