崩れ出す砂の城.06


校舎に入ると、まだ人の多い廊下を歩きながら鎮真が口を開いた。

「俺の研究室に行くか。面談するには丁度良いからな」

「はい。この学院は放課後もいつも沢山人がいますね」

「まあな。中には夜中まで研究する生徒がいるから、学院の施設はいつでも開放してある。その代わり、出入りのセキュリティーは厳しいけどな」

「成程。皆、熱心なんですね」

舞夜が感心して頷くと、前を見たままの鎮真の溜息が聞こえた。

「……どうしたら、そんなに頑張れるんだろうな」

「きっと、楽しいからですよ」

全く迷い無く言い切ってから、自分に聞かせるように付け足す。

「もしかしたら、他の人から見たら愚かに思える事もあるかもしれませんが……。それでも何かの為にひたすらに、がむしゃらに走り続けるのは大切に事ですよね」

何かの為に。

強く求める何かの為に、ただ。

「そうして走っている本人は、楽しいんです。愚かと笑われても、いつか大きな力が生まれるかもしれません。愚かと言われても走り続けたら、ぶつかる壁さえ飛び越えられるかもしれない」

例え勢い任せでも。

いつか、求める何かに手が届くかもしれない。

「……春日って、変わってるな」

「そうでしょうか」

「ああ。勿論、褒めてるんだぞ。海みたいだ」

「海?」

- 42 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet