崩れ出す砂の城.08


校門を出た所で、ばったり海斗に会った。

「あ、広瀬さん」

「舞夜ちゃん。今、帰りかい?」

「はい。広瀬さんは学院に用事なんですか?」

「ああ。ちょっと大学の方に用があってね」

海斗は鞄を肩に掛け直し、軽く手を上げる。

「じゃあ、またね。帰り道、気を付けて」

「はい。広瀬さんもお仕事頑張って下さい」

「有り難う。そうそう、発表会、楽しみにしてるよ。取材に行くから宜しくね」

海斗が立ち去るのを見送って、再び歩き出す。

例え愚かでも、止まる事は出来ないのならば。

優しく哀しい夢から覚めた後でも、顔を上げて明日を見据える。

失われた想い出を、あの日の傷を、命の証にしたいから。

真っ直ぐ前を見て進み続ける。





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