崩れ出す砂の城.13
他に誰もいない暗い部屋へ帰るのは、もう慣れていても不意に寂しくなる。
今日のバイトが終わって体は疲労を覚えていたが、自然にテーブルに向かっていた。
制服のまま着替えもせず、レポート用紙を広げる。
既に文字で埋まっている数枚を見直し、溜息をつく。
「……やるしかないですね」
賭けに出よう。
ただ今の状況に甘んじている訳では無いと確かめる為の。
伝える為の。
きっとこれで最後になる。
だから、せめてその前に言葉に出来ない感情を。
不器用でも遠回りでも良い。
こうして遠くから諦めを知らないままで。
何度でも腕を伸ばして。
もう何度も間違えたのかもしれないけれど、それでも。
それでもまだ、心は絶えず彷徨いながら。
叫ぶのだろう。
知らない貴方へ。
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Reservoir Amulet