夢の終わり.06
舞夜の前の発表者が、発表を終えて頭を下げた。
拍手をしながら、鎮真が小さく息をつく。
いよいよ次が舞夜の番だ。
一体彼女は、あの舞台で何を語るのだろう。
やがて舞夜が姿を現し、マイクの前に立った。
手にしていたレポートを広げ、息を吸い込む。
そして、凛とした声が響いた。
「皆さんは、この都市をどう思われますか。人工の空、人の手で管理される気候、まるで箱庭のようなこの都市を」
「……おい、プログラムの内容と違わないか?」
海斗が戸惑ったように小声で言う。
確かに事前に配布されたプログラムでは、舞夜の発表内容は『シードジェスエネルギーの分析』となっていた。
他の聴衆も同じ事を思ったのか、会場がざわめく。
しかし舞夜の声は全く揺らがずに続く。
「この中にいると、錯覚しそうになります。最早自然すら、我々は管理出来る出来るのだと。しかし、それは驕りに過ぎません。そもそもこの都市が造られる事になったのは、自然が破壊され人類の暮らす場所が危ぶまれたからです。忘れてはなりません。我々は自然の力に対し、何も管理出来ない。この都市を造るより守るより成すべき事があるのではないでしょうか」
ざわめきが大きくなる。
鎮真は真っ直ぐに舞夜を見詰め、目を細めた。
ああ、やはりこの手段を取ったか。
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Reservoir Amulet