夢の終わり.13


「お帰り。遅かったね」

帰った鎮真に、海斗が声を掛ける。

「まだ起きてたのか」

「別に野郎の帰りなんざ待っていたくもなかったけどね」

そこへ、要もやって来た。

「ああ、鎮真。帰ったんですね」

「思ったより遅くなったけどな」

海斗はしばらく探るように鎮真を見ていたが、やがて言った。

「お前が今まで誰と会っていたかは訊かないけどさ、お前らしくもないね」

ソファから立ち上がり、テーブルに置いていたファイルを鎮真の方に滑らせる。

「頼まれてた調べ物だよ。取り敢えず詳しい事は、それに纏めておいたけど」

「……意外と時間が掛かったな」

ファイルを手に取りながら鎮真が言うと、海斗は息をついた。

「なかなか手こずらせてくれたからね」

「僕は先に部屋に戻りますよ」

席を外そうとした要を呼び止める。

「悪いが、要も聞いてもらえるか。お前にも知ってほしい情報だから」

落ち着いた様子を崩さずに海斗を見返す。

「で、どうだったんだ?」

問われた海斗は、息を吐いてテーブルに手をつく。

「結論から言うよ。現在十七歳の女子高生、春日舞夜」

その瞳は、真剣に射抜いて来る。

「彼女は、実在しない」





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