夢の終わり.14


こんな嘘を、誰が裁いてくれるのだろう。

手を当てた窓ガラスから感じる冷たさに、胸が痛む。

大切な想い出さえ偽って、何もかもを嘘で固めて。

信じないでほしかった、私を。

優しくしないでほしかった、私に。

その瞳が向けられる度、痛みは増して。

けれどその中に、確かな歓びも安らぎもあって。

ああ、なんて幸せな夢だったのだろう。

全てが偽りだったとしても。

溜息をつき、カーテンを閉める。

制服のネクタイに手を掛けながら、低い声で呟く。

「……高校生活も、これで終わりですね」

ポケットから取り出すのは、一枚のカード。

この都市で暮らすのに必要な、身分証明証。

「春日舞夜とも、これでお別れですね」

手から離れたカードは音も立てず床に落ちる。

もう何も知らない生徒として、あの人の前に立つ事は出来ない。





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