夢の終わり.15
沢山のモニターが並ぶ、都市庁施設内の管理室。
そこでは大勢の職員が忙しく働いていた。
「運転は順調です」
「そのまま続けろ。処理し切れない分は都市内に流出させる。不足する方が問題だ」
指示を出している司の元へ、一人の職員がやって来て告げる。
「失礼します。長官が、お話があると」
「今すぐかい?」
「はい。なるべく急ぐようにとの事でございます」
「分かった。全く、長官はせっかちで困るな」
息を吐いて立ち上がり、周りの職員に声を掛ける。
「後は頼む。そのまま続けてくれ」
「はい」
返事を聞きながら歩き出す。
長官からの急な呼び出し。
ろくな用件でないのは目に見えている。
都市庁長官執務室の重いドアを開け、正面のデスクについている長官に近付く。
「長官、何か?」
「司、あの娘の排除を止めさせたというのは本当か?」
「はい。高校生相手にそのような手間を取るなど馬鹿げた事でしょう。少々気が強いようですが、良いお嬢さんだったではありませんか」
「しかし、何処か彼女に似ていると思わないか?」
それを聞いて笑みを浮かべ、一言で否定する。
「まさか、気のせいでしょう。彼女はもう死んだんですから。そうするよう指示を出したのは、他ならぬ貴方だ」
ドアに足を向けながら言い放つ。
「これ位の事で揺らいではいけませんよ。貴方は長官なのだから」
相手の反応を見ずに廊下に出ると、低く呟く。
「……殺り損ねるとは、愚かだな。シズマ」
そう、気が強くて何処までも真っ直ぐで、自分が傷付く事を躊躇わない。
そんな彼女が、何故。
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