秋
両手で剣を受け取りながら、娘は目を瞬いた。
「私、助けになれていましたか?」
「え、ええ……。それは勿論」
つい先程、妖魔の腕を斬り落としたのは誰だったのか。
あの時とはまるで別人だ。
そう思いながら頷くと、娘が初めて笑顔を見せた。
「良かった……!」
笑うと、それだけで周囲が明るくなったような気がした。
どうしてこんなに嬉しそうなのだろう。
戸惑う内に、娘は続ける。
「じゃあ、これからも貴方のお手伝いが出来ますね!」
「……はい?」
一瞬、思考が止まった。
「さっきは自然に体が動いて何とかなりましたけど、これからはちゃんと自分でも鍛えて、もっと役に立つよう頑張ります。宜しくお願いします」
真剣な表情になって頭を下げる様子を見て、何の話をしているのかようやく分かって来る。
「まさかとは思いますが、君も一緒に戦うつもりですか?」
「はい」
当然のように頷いて微笑む娘に、疲れのせいだけではない目眩を覚えた。
「戦ったあれが何か、分かっていますか」
「いいえ、詳しい事は。良くないものだとは感じましたけど」
「あれよりもっと凶暴なのもいますよ。怪我では済まない……命を落とす事も」
「それは、貴方も同じでしょう」
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Reservoir Amulet