神立


雨が強い。

胸の鼓動に合わせるかのように、激しく降り注ぐ。

何だろう。

何か思い出さなくてはならないような。

何か言わなくてはならないような。

焦燥が胸を支配する。

それは、今ではすっかり葉を落とした並木道に入った途端に益々強くなった。

ああ、此処は。

「そういえば、この先でしたね。桔梗さんと初めて会ったのは」

まるで心を読まれたように言われて、一瞬息を止めた。

「……はい」

そう返してから、意識して明るく続ける。

「覚えていたんですね、賢木さん」

「勿論ですよ。まさかその数日後に、一緒に戦う事になるとは思ってもみませんでしたが」

話している内に、道が少し開ける場所に来た。

大きな木が立つ、まさに二人が出会った所だ。

ざわり、と胸の奥が動いた気がして、思わず足を止める。

「どうかしましたか?桔梗さん」

少し先に行った荷葉も立ち止まって振り返る。

「……っ」

「桔梗さん?」

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