玉響


初めて目が合ったのは、戦いの最中だった。

一人で戦う事に慣れている彼の視界に入った瞬間。

隠しきれない驚きが表情に浮かぶのを見た。

けれど、それも一瞬で。

彼はすぐに元の厳しい顔に戻った。

妖魔を倒した後も、その厳しさが消える事は無くて。

「……何者だ」

むしろ増したようで、太刀を突き付けられた。

思い切り怪しまれている。

何とか太刀は下ろしてくれたけれど。

「別に貴女を助けたつもりは無い」

返って来たのは素っ気無い言葉で、探る視線も変わらない。

それでも彼が怪我をしているのは分かったから。

今は手当てをするのが先だと思った。

「私、薬草を持っています。手当てをしましょう。話はそれからです」

触れた腕を振り払って、行ってしまうかと思った。

しかし、しばらく視線を交わした後。

溜息を一つ落とし、彼は了承してくれた。

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Reservoir Amulet