玉響


水の流れがある所まで移動して側に火を起こし、彼の左腕の袖をまくり上げる。

「……痛そうですね」

思わず顔をしかめながら、手当てを開始する。

「この程度、大した怪我では無い」

「そんな事はありません。血が出ているじゃないですか」

薬草を傷口に当てて布を巻く。

「普段は面倒くさがって、ろくに手当てもしないんでしょう。そんなの駄目ですよ」

「……貴女には関係無い」

「それはそうかもしれませんが。……でも」

巻き終えた布に触れて、小さな声で続ける。

「見ている方も痛いですから」

「………?」

衣を直しながら問い掛けるような目を向けられ、すぐに首を振る。

「いえ、何でもありません。とにかく、あんなに危険なものと一人で戦うのは大変ですよ。ですから、私も一緒に戦わせて下さい」

「……は?」

ずっと不機嫌そうだった顔に、一瞬驚きが浮かんだ。

けれどそれは本当に一瞬で、すぐに元の表情に戻る。

「何を馬鹿な事を」

「そうでしょうか。一人よりも二人の方が、妖魔と戦うにも効率が良いのでは?」

そう返すと、彼の瞳が鋭さを増した。

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