玉響
落ち着いた声と深い色の瞳は、それ以上の追求を拒むようで。
外見から感じるより多くを見て受け止めて来たようで。
不思議な娘という印象が、以前会った時よりも強くなった。
「せっかくですし、貴方も寄って行きませんか?此処の食事、美味しいですよ」
気付くと、桔梗が軽く腕を引いていた。
「私、情報と路銀の為にこのお店の手伝いをしているので。良かったら、是非。私がご馳走します」
「いや、俺は……」
「どうした、桔梗。知り合いか?」
断ろうとした時、不意に違う声が響いた。
顔を向けると、店の中から背の高い精悍な顔つきの男が出て来た。
「あ、鬼若【おにわか】さん。知り合いと言いましょうか……」
何と紹介したものか悩んで口ごもる桔梗に、鬼若と呼ばれた男は納得したように頷く。
「そうか。了解した」
「はい?」
「恋人だが、周りに反対されている。そんなところだろう」
「ええっ!?」
妖魔を前にしても動じなかった桔梗が、物凄く動揺した。
「案ずるな。他言はしない。惚れた相手と結ばれぬのはつらいだろう」
「ち、違いますから!自信たっぷりにしみじみしないで下さい!」
「そう照れるな。丁度良い。此処で飯でも食え。店主には、俺が話をつけてやろう」
何もかも分かっているといった様子の鬼若に強引に店に押し込まれそうになった時、また別の声が響いた。
「もう、また一人で勝手に行かないで!人がどれ程探したと思っているの?」
「……やれやれ、騒がしいのが来たな」
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Reservoir Amulet