何となく、不思議な娘だ。

どうしてか、共にいると調子を崩される。

お湯を沸かす支度を始めた姿から目を逸らし、改めて部屋の中を見回す。

一人暮らしのワンルーム。

置かれている家具も日用品も少なめで、慎ましい生活が窺えた。

小さな棚にぎっしり本が並んでいるのを見ると、読書が好きなのだろう。

自分も本は嫌いではないから、背表紙に書いてあるタイトルを眺める。

様々なジャンルの本があるが、推理小説が圧倒的に多いようだ。

外見からは想像出来ない意外な趣味だ。

そう思って、溜息をつく。

彼女がどんな人であれ、今最も気にすべきは別の事だ。

だから姿勢を正し、紅茶を注いだカップを運んで来た桔梗に告げる。

「先程から気になっていましたが」

「はい?」

「一人暮らしの女性が、こう簡単に男を部屋に上げるのはどうでしょう」

桔梗はローテーブルにカップを置きながら、大きな瞳を瞬いた。

「ああ、そういえば……そうですね」

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