玉響
言い返すと、楽しそうな笑顔が返って来た。
その姿を見て、益々違和感を覚える。
髪を下ろしたからだろうか。
腰よりも長い艶やかな黒髪、薄暗い山の中でも映える白い肌。
外に出て刀を振り回すよりも、むしろ。
「……此処ですね。水晶さんが話していた滝というのは」
桔梗が笑顔を消し、真剣な表情で滝の方を見る。
「やはり、こちらが目的か」
腕組みをして、鋭く続ける。
「本当は怪異について調べて、妖魔と戦おうと思って来たんだろう」
「……そうですね。それもあります」
「それも?」
眉をひそめて聞き返すと、桔梗はまた、何とも言えない光を宿した瞳でこちらを見詰めた。
「はい。ですが、今はそれよりも」
澄んだ眼差しを、再び滝の方に向けて言う。
「怪異について調べる方が先では?」
先程まで何も変わったところは無かった滝の周囲には、今青白い光が幾つも浮かんでいた。
まるで幻のように。
怪しく美しく、静かに。
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Reservoir Amulet