玉響
「…………」
思わず力が抜けた。
一体この娘の思考回路はどうなっているのか。
「どうしてそうなるんだ」
「貴方も私も、お互いの考えを曲げるつもりは無いでしょう。ならばどんなに言葉を重ねるよりも、こちらの方が早いと判断致しました」
「年頃の娘が考える事ではないな」
「年頃だろうと娘だろうと関係ありません。私は貴方と行きたい。私を止めたいなら、倒して行って下さい。さあ、どうしますか。荷葉さん、この勝負受けますか?」
ただこちらを見据える、熱い炎を秘めた瞳。
それでいて何処までも静かで清らかな、迸る水のような強さもあって。
確かにどんな言葉を重ねようと、彼女を止める事は出来ないだろう。
ああ、自分もこんな風に生きれたら。
今とは違う道もあったのだろうか。
戯れにそんな事を思いながら、太刀を手に立ち上がる。
「……良いだろう」
冴えた輝きを持つ刃を抜き、桔梗に向かって構える。
「その勝負、受けて立とう」
木々をざわめかせて、風が吹き抜けた。
落ち葉は舞う、紅に。
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Reservoir Amulet