落葉
いつに無く息が上がる。
体が重い。
相手が纏う気配だけでも、押し潰されそうな程強い。
それでも、成し遂げるまでは。
倒れる訳には行かない。
この世界を、無に還す訳には行かない。
何故なら、この世界には。
『わたしは忘れません。貴方のことを、絶対に』
彼女が、生きているのだから。
今もきっと何処かで。
幸せに笑っているだろうから。
それを侵させる訳には行かない。
何者で在ろうとも。
「……っ」
逃げ切れない一撃が身体をかすめる。
しかしまだ、倒れる訳には行かない。
太刀の柄を握り直し、見上げる程巨大な妖魔に斬り掛かる。
普段なら尾の一本でも落とすところだが、僅かに傷を付けただけに留まった。
頑強な上、傷を負わせる度に辺りの空気が淀んで行く。
瘴気だ。
流石は終わりを担う存在、簡単に倒させる気は無いらしい。
もう、目もかすんで来た。
後、何太刀浴びせられるだろうか。
それでもまだ、倒れる訳には行かない。
大切なものが。
守りたいものがあるから。
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Reservoir Amulet