落葉


力を入れてどうにか手を動かし、涙が落ちた白い頬へと触れた。

幻でも現実でも、どちらでも良い。

残された僅かな時間全てで、伝えなければ。

「……こちらこそ、貴女に感謝する」

そう言うと、涙に濡れた瞳が僅かに見開かれた。

「貴女のおかげで……俺の戦うだけの生に……意味が生まれた」

「荷葉さん」

「貴女に……会えて良かった」

彼女の頬に触れていた手が、温かな手に包み込まれる。

「私、私もそう思います。貴方に会えて良かったと、心から……」

ああ、そう思ってくれるのか。

それなら、これ程幸福な事は無い。

「有り難う。……もしも、いつか再び生を受けたなら……」

それは夢のような、果てしない願いだ。

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