落葉
それでも、もしもいつか。
そんな奇跡が起こったなら。
「貴女の……為だけに生きてみたい……」
夜が明ける。
生命のざわめきと共に、眩しい光が射す。
暁光が世界を照らし出す。
「……荷葉さん」
泣きながら、それでも必死に微笑む彼女を、神々しいまでの輝きが包む。
何て美しいのだろう。
美しい世界に生きる、美しい人。
ああ、本当に。
「幸せな、夢だ……」
暁光が射し込む、美しい世界。
彼女が生きて行く場所を守れたら。
この大地の一部と成ろう。
「俺は、貴女を……」
最後の言葉が、彼女に届いたかは分からない。
それでもその姿を焼き付けて逝けるのだから、後悔は無い。
この身には過ぎた、幸せな終わりだ。
許されぬ身に過ぎた残像を抱いて。
混沌へと。
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Reservoir Amulet