追憶
体の細胞の一つ一つまで洗い清められるような、少しひんやりとしていて心地良い空気の流れ。
この辺りの綺麗な空気の源は、間違い無く此処だろう。
掃き清められた砂利の上を、少し進んで足を止める。
質素な社の前に立つ、二人の姿が見える。
一人は白い千早と真紅の袴に身を包んだ巫女、もう一人はグレーのスーツを着た青年。
巫女が微笑んで口を開いた。
「ようこそいらっしゃいました。賢木荷葉さん、結崎桔梗さん」
「……僕達のことは、もうご存知みたいですね」
探るような視線を向けて言うと、巫女はにこやかに答えた。
「ええ、少しだけなら。そろそろおいでになると思っておりました」
それから隣の青年を示して続ける。
「こちらは間無【かんむ】大地【だいち】さん。そして私が天承【てんしょう】翼【つばさ】と申します。宜しくお願い致します」
「間無です、宜しく」
不思議な二人だ。
若く見えるけれど、妙に年長者のような。
落ち着いた、長い間様々なものを見て来た雰囲気がある。
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Reservoir Amulet