追憶


体の細胞の一つ一つまで洗い清められるような、少しひんやりとしていて心地良い空気の流れ。

この辺りの綺麗な空気の源は、間違い無く此処だろう。

掃き清められた砂利の上を、少し進んで足を止める。

質素な社の前に立つ、二人の姿が見える。

一人は白い千早と真紅の袴に身を包んだ巫女、もう一人はグレーのスーツを着た青年。

巫女が微笑んで口を開いた。

「ようこそいらっしゃいました。賢木荷葉さん、結崎桔梗さん」

「……僕達のことは、もうご存知みたいですね」

探るような視線を向けて言うと、巫女はにこやかに答えた。

「ええ、少しだけなら。そろそろおいでになると思っておりました」

それから隣の青年を示して続ける。

「こちらは間無【かんむ】大地【だいち】さん。そして私が天承【てんしょう】翼【つばさ】と申します。宜しくお願い致します」

「間無です、宜しく」

不思議な二人だ。

若く見えるけれど、妙に年長者のような。

落ち着いた、長い間様々なものを見て来た雰囲気がある。



- 187 -







[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet