追憶
こちらを見詰める巫女の瞳は底知れず深く、何を見ているか読み取れない。
「他の人達も、私達も同じです。案じてはいても、必要以上に干渉は出来ません。これは貴方達の戦い、貴方達の物語ですから」
「……同じ事を言われました。ずっと昔に」
驚いたように桔梗が言うと、翼が静かに尋ねる。
「誰にですか?」
「輝夜さんです。黄金の髪と青い瞳の……帝のお后様」
「ああ、その人なら僕も知っているかもしれません。僕が会った時は水晶と名乗っていましたが」
「……そうですか」
穏やかな微笑を浮かべ、巫女はこちらを見て言った。
「お二人は沢山の人達に見守られています。ですから、選び取って下さい。どうか、幸せに続く道を」
静寂に満ちた神社の中。
祈るような巫女の声が溶けて行く。
それはまるで夢のように遠くにあるもののようで。
どうしてか、胸が痛くなった。
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Reservoir Amulet