追憶
「貴女と私が初めて会った時、夢を見たでしょう?あれはかつての貴女が、最後に残した伝言ですよ」
「あ……」
音の無い、光の無い空間。
その中に響く声。
『あの人はずっと一人で戦っているから』
見えたのは、舞い散る落ち葉と人影。
『お願い、助けてあげて』
あれは夢だったのか。
かつての自分からの伝言。
「人の想いとは強いものです。叶わないと思っても、時や定めを越えて叶う事もある。それだけの力を秘めているのです」
「……そうですね」
呟きながら、スーツ姿の青年、大地と話している荷葉の方を見る。
こうしてまた、出会って一緒にいる。
それだけで、信じられない程の奇跡だ。
人の想いは、力は計り知れない。
きっと特別な力なんて無くても。
誰でもそんな力を持っている。
そう考えながら、ふと大地から翼へと視線を戻す。
この静かな神社に一緒にいる。
二人は、どういう関係なのだろう。
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Reservoir Amulet