追憶


「貴女と私が初めて会った時、夢を見たでしょう?あれはかつての貴女が、最後に残した伝言ですよ」

「あ……」

音の無い、光の無い空間。

その中に響く声。

『あの人はずっと一人で戦っているから』

見えたのは、舞い散る落ち葉と人影。

『お願い、助けてあげて』

あれは夢だったのか。

かつての自分からの伝言。

「人の想いとは強いものです。叶わないと思っても、時や定めを越えて叶う事もある。それだけの力を秘めているのです」

「……そうですね」

呟きながら、スーツ姿の青年、大地と話している荷葉の方を見る。

こうしてまた、出会って一緒にいる。

それだけで、信じられない程の奇跡だ。

人の想いは、力は計り知れない。

きっと特別な力なんて無くても。

誰でもそんな力を持っている。

そう考えながら、ふと大地から翼へと視線を戻す。

この静かな神社に一緒にいる。 

二人は、どういう関係なのだろう。







- 192 -







[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet