追憶


それから、夕焼けの光が空を染めるまで。

荷葉と木刀を合わせた。

息を切らせて、見詰め合って。

変わったけれど、変わっていないと実感した。

かつて夢で見て、ひたすら追い掛けたあの頃の。

魂は息衝いている、彼の中に。

熱い程に静かに燃えている。

こんなに近くに感じる。

激しい打ち合いの末、木刀が弾かれた。

「……っ」

手の痺れに顔をしかめた時、荷葉が息をついた。

「今日はもう、そろそろ止めましょう」

「はい……」

頷いて、転がった木刀を拾い上げる。

すると、離れた場所から拍手の音がした。

「凄いな、二人共」

「本当に。とても集中されていて、邪魔は出来ませんでしたね」

社に続く石段に座っていた大地と翼が立ち上がりながら言う。

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Reservoir Amulet