追憶


すると考えを読んだかのように翼が言った。

「どんな理由であれ、繋がれた縁は本物です。そして一度繋がったなら、簡単には消えません。全ての事には意味があり、価値があるからです」

「……はい」

隣に経つ桔梗が真面目に頷くと、翼は切れ長の瞳を細めて笑う。

「これからも、お二人の間に新しい縁が集まって来るでしょう。そう思うと、楽しみですね」

「……はい!」

桔梗の笑顔につられるように、思わず笑みがこぼれる。

「では、また来ますね」

「ああ。帰り道、気を付けてな」

手を振る二人に頭を下げて歩き出す。

神社の鳥居を抜けて道路に出た途端、迷い込んでいた異世界から戻ったような不思議な感覚がした。 

駐車場に向かいながら、桔梗が口を開く。

「素敵な人達ですね」

「ええ、そうですね」

「これまでに、色々あったみたいですけど……」

そう言った桔梗の横側は、何処か寂しそうに見えた。

「何か、聞いたんですか?」

尋ねると、小さく首を振って息をつく。 

「いいえ。でも……間無さんと話している時に、一瞬見たんです。あのお二人はきっと、あの場所で見守りながら担い続けている。光と闇を」

「…………」

かつて、桔梗は先予見の姫巫女だった。

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Reservoir Amulet