再奥


するとオーナーの隼が話し掛けて来た。

「あのお客さんかあ。前からたまに来てくれてたけど。どうだった?」

「どうとは?」

巫女、翼によれば、隼は本来なら出会う筈の無かった人らしい。

特にその事について訊いてはいないけれど。

ずっと見守ってくれていたなら、感謝は絶えない。

「あの二人、多分僕と同じだよ」

「……はい?」

「君達の幸せを願う存在ってこと。予約の電話が来た時、賢木君がいる日でって指定だったし。会いに来たんじゃないかな」

あっさりと言う隼を、改めて見詰める。

「……本当に、そうだったんですね。ずっと僕達を」

「大した事じゃないよ。見てるだけだしさ」

隼は微笑んで、軽く肩を叩いた。

「どんな縁だとしても、これからも宜しくね。せっかく、こうして出会えたんだから」

「はい。こちらこそ」

例え、どんな縁だとしても。

出会う、あたたかな人達。

触れる度に、気付く度に、守りたいと思う。

かけがえの無い、この世界を。









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