最奥
「桔梗さん、今日は何にしますか?」
荷葉に尋ねられ、はっと我に返る。
「オーナーが、おまかせにしてほしいと強く願っているのですが」
「じゃあ、おまかせします。楽しみです」
思わず笑いながら返すと、荷葉も笑顔で言う。
「分かりました。少し待っていて下さいね」
歩き去る後ろ姿を見ながら、蒼が声をひそめて尋ねた。
「仲良いんですね。いつから付き合っているんですか?」
「……!?」
思わず絶句すると、華憐がすかさず手近にあったフォークを投げ付ける。
「ちょっと蒼!そんな事いきなり訊くなんて失礼だよ!」
「危ないだろう!場を和ませる冗談だって」
フォークを指で挟んで止めた蒼に、心から感心する。
素晴らしい動体視力だ。
それに。
「お二人も仲良しですね。それに良く似ています」
「え?蒼と私がですか?」
不思議そうに訊かれて頷く。
「はい。外見というよりも……中の、深いところが似ていると思います」
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Reservoir Amulet