最奥
「……へえ。やっぱり分かるものなんだな」
「前に私の力、蒼に渡したからかな」
二人の会話を聞いて、思わず身を乗り出す。
「力?あの、お二人にも何か、不思議な力があるんですか?」
「あ、ああ。まあな。どうしたんだ、突然」
「『二人にも』と言う事は、貴女にもあるんですね。桔梗さん」
華憐の言葉に、一瞬答えに迷ってから口を開く。
「昔の私にはあったようですが……今は分かりません。でも時々怖くなるんです。もしも今の私にもそんな力があったら、どうしたら良いのか考えてしまって」
昔の記憶が戻ってから、時々甦る感覚。
夢で未来を見るという、かつての自分の力。
もしもその力が、今の自分にも僅かでもあるとしたら。
怖くなる。
その力を自分はどうしたら良いのだろう。
間違えてしまわないだろうか。
誤った使い方をしてしまわないだろうか。
ほんの少し前まで、戦う事も知らなかったのに。
あの頃と今と、自分自身は何も変わらないのに。
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Reservoir Amulet