最奥


妖魔が現れる前兆、怪異が起きていないかを確かめる。

それが今日の目的だ。

事前にネットで調べた情報を元に、地図を手に夜の街を移動する。

「この辺りですね。二日前に目撃されているのは」

道路の脇に車を停め、様子を窺う。

変わったところは無い。

運転席の荷葉がハンドルに手を乗せて呟く。

「何も無ければ、それで良いんですが……」

最近ネットを中心に噂になっているのは、真夜中に刀を持って着物を着た男を見たというものだ。

それだけなら別に気にする事も無いただの噂話だが、話は次第にエスカレートしている。

目撃しただけではなく、追い掛けられた、襲われたという話まで出て来ている。

もしかしたら妖魔と関係があるかもしれない。

「注目を集める為に話を大げさにしたり、創作している可能性もありますけど……」

助手席でスマホを手に関係する情報を調べながら口を開く。

単なる噂なら、それで良い。

けれど、なんとなく感じている。

初めてこの話をネットで見た時から、なんとなく。

真実か嘘かは分からない文章の間から漂う雰囲気を。

本気の恐怖というものを。



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