怪異
車を前の道路端に停め、外へと降り立つ。
続いて外に出た桔梗も、同じように暗闇の中にそびえる校舎を見上げている。
「……怖いですか?」
問い掛けると、彼女の肩が上がった。
「い、いいえ」
「声が震えていますよ」
言いながら後部座席のドアを開け、桔梗の刀を渡す。
その後で自分も太刀を納めたバッグを背負い、改めて校舎の方を向いた。
「さて、行きましょうか」
「はい」
校門は施錠されていたが、乗り越えるのは難しくない。
先に上がって、桔梗に手を差し伸べる。
その手を取った桔梗は、意外な程身軽に校門を乗り越えて地面に降りた。
「……君は色々と不思議ですね」
「そうですか?」
何の事か分からないと言いたげに見返した後、微笑んで付け足す。
「早く行きましょう。此処は何だか嫌な感じがしますし」
「そうですね」
やはり、色々と不思議な娘だ。
並んで歩き出した桔梗の横顔を見ながら、改めて思う。
この場所に満ちる気配を、無自覚の内に感じ取っているなんて。
門の前に立った時から、分かった。
此処には、いる。
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Reservoir Amulet