怪異


「……何処から感じますか?」

「上の方からです」

荷葉は探るような瞳を向けてから、頷いた。

「行ってみましょう」

「はい」

ポケットからペンライトを取り出して足元を照らす荷葉の後から、少し遅れて階段を上る。

静まり返った校舎の中に、二人の足音だけが響く。

「小さい頃、こういう階段を何段飛ばして下りられるか、競争しませんでしたか?」

「僕はやりませんでしたが」

「私、最高で10段は行けました」

「危ないですよ」

黙っているのが怖い一心で続ける他愛の無い話に、荷葉は付き合ってくれる。

こちらの意図を分かっているのかもしれない。

出会って間も無いけれど、分かる。

優しい人だ。

「桔梗さんは、意外とおてんばさんだったんですね」

「そうでしょうか?」

「そうですよ」

荷葉は意外と楽しそうに雑談を続けてくれる。

「部活とかやっていたんですか?」

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