怪異
その濃度に顔をしかめながら振り下ろした太刀は、妖魔の足を断ち切った。
後ろ足の一本を落とされ、妖魔はよろけながらも激しい咆哮を響かせる。
しかしすぐに向きを変えた桔梗が、すかさず前足の一本を斬り落とす。
バランスを崩して倒れかけた妖魔の体を避けつつ、腹の辺りに更に一撃。
巨大な体が屋上に倒れのたうつ。
此処までくれば、後は簡単だ。
太刀を握り直し、胴の真ん中を狙って突き立てる。
妖魔は小さく体を動かした後、見詰める中で朽ち果てるように形を無くして行く。
やがて完全に消えたのを見届けてから、太刀を鞘に収める。
「……意外とあっさり片付きましたね」
感じていた気配の重さからして、もっと手こずるかと思ったのだが。
「無事に終わって良かったですね」
近寄って来た桔梗が微笑む。
手を後ろにしているのは、震えを隠す為だろうか。
そう思ったが口には出さず、代わりに微笑みを返す。
「有り難う。桔梗さんのおかげですよ」
「少しでも役に立てたなら、良かったです」
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Reservoir Amulet