恋
フォークを取り上げながら、荷葉が口を開く。
「彼がそんな事を相談して来るのは初めてですから、どうしてなのか気にはなりますけどね」
「そうなんですか」
料理から立ち昇る湯気をしばらく見詰めてから、微笑んで言う。
「私達で、何か力になれたら良いですね」
「……はい。そうですね」
いつものように優しく笑う荷葉に安心して、料理に箸を付ける。
そういえば、何度目だろうか。
こうして二人で食事をするのは。
初めて一緒にラーメンを食べに行ってから、幾度か。
他愛も無い事を話しながら、荷葉と食事をしたけれど。
彼自身について聞いたのは、今回が初めてだったような気がする。
時々飲みに行く大学時代からの友人がいる、という。
ただそれだけかもしれないけれど。
少しずつでも、荷葉のことを知れるのは嬉しい。
優しくて、親切で、だからこそ。
不意に近付かせない壁を感じる人だから。
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Reservoir Amulet