フォークを取り上げながら、荷葉が口を開く。

「彼がそんな事を相談して来るのは初めてですから、どうしてなのか気にはなりますけどね」

「そうなんですか」

料理から立ち昇る湯気をしばらく見詰めてから、微笑んで言う。

「私達で、何か力になれたら良いですね」

「……はい。そうですね」

いつものように優しく笑う荷葉に安心して、料理に箸を付ける。

そういえば、何度目だろうか。

こうして二人で食事をするのは。

初めて一緒にラーメンを食べに行ってから、幾度か。

他愛も無い事を話しながら、荷葉と食事をしたけれど。

彼自身について聞いたのは、今回が初めてだったような気がする。

時々飲みに行く大学時代からの友人がいる、という。

ただそれだけかもしれないけれど。

少しずつでも、荷葉のことを知れるのは嬉しい。

優しくて、親切で、だからこそ。

不意に近付かせない壁を感じる人だから。







- 42 -







[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet