「……さあ、僕達は食事も済んだ事ですし、帰りましょうか。桔梗さん」

「あー、待った待った!冗談だって!からかって悪かったよ」

荷葉が笑顔で立ち上がりかけたのを、守は慌てて止める。

そして今度は素直に店員に注文を済ませてから、真面目な声で呟いた。

「でもさ、嬉しいのは本当だぞ」

「……それで、相談は何だ?」

「最近、警察への通報が増えてるんだ。女のすすり泣く声を聞いたとか。影みたいなものに追い掛けられたとか。その場所は、大体この辺りに集中してる」

地図を広げて示した守に、荷葉が怪訝な顔を向ける。

「お前、刑事だろ?まだ事件にもなっていない事を、よく此処まで調べたな」

地図上には、通報場所と共にその内容まで書き込まれている。

本来は殺人事件の捜査をする刑事がする仕事ではないだろう。

すると守は、地図をたたみながら苦笑を浮かべた。

「こういうのが、いずれ事件になったりするんだよ。世の中には人の感覚では計れない複雑怪奇な事が沢山あるからさ」

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