恋
何度も呼ばれている自分の名。
大きな手のひらが頭の下に差し込まれているのを感じる。
体全体が、何かに包み込まれているように温かい。
少しずつはっきりとして行く意識で、ようやく今自分を呼んでいる人の名を思い出した。
いつも優しくて親切で穏やかな彼の声は、今は苦しそうで絞り出すようで。
ゆっくりと目を開くと、驚く程近くに彼の顔があった。
「桔梗さん!気が付きましたか?良かった……」
この人の、こんな顔は初めて見る。
まるで泣き出すのをこらえているような表情。
いつも余裕がある人だと思っていたのに、こんな声を顔をさせる程心配させてしまっていたのだと気付く。
「賢木さん……」
「はい。体は大丈夫ですか?何処か、痛むところは」
「私は大丈夫です」
答えながら、自分が荷葉が膝の上に抱えられていると気付いた。
ああ、だからこんなにも温かいのか。
体を起こし、どうしてか泣きたくなる感情を隠して微笑む。
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Reservoir Amulet