恋
「賢木さん、心配をおかけしてすみません」
それから、じっと動かない妖魔の方へと目を向けた。
「先程から、全く襲って来ないんです。だから君が何かしてくれているのかと思ったんですが」
「私は、何も……」
言いかけて止める。
帯のような影が、ゆるゆると妖魔の方へ伸びた。
そして、ゆっくりとその鳥のような姿を包む。
まるで、何か会話でもしているように。
見守っているように。
『やっと、あの人に伝えられるわ』
ああ、そういう事か。
傍らに置いてあった自分の刀を掴み、鞘から抜く。
「事情は後でお話します。今は」
唇をかみ、寄り添うような妖魔と影を見据える。
「眠らせてあげましょう」
かつてこの地に葬られた想いの眠る場所で。
今度こそ、二人一緒にいられるように。
祈りを込めて、刀を振るおう。
叶わない想いなど無いと。
苦しい程の熱さで、信じているから。
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Reservoir Amulet