距離
いつもと同じ笑顔が見れた事が嬉しい。
並んで歩き出きしながら、気になっていた事を尋ねる。
「賢木さん。お仕事の方はもう大丈夫なんですか?」
「ええ。今日は早目に上がらせてもらいましたから」
そう言ってから、荷葉の瞳が改めてこちらに向いた。
「それにしても、折角お洒落をしたのにこのまま帰ってしまうのも勿体無いですね」
「霄瓊が手伝ってくれたんです」
普段は履かない高いヒールの靴やワンピースを見下ろして言うと、荷葉はしばらく考えてから提案した。
「どうでしょう、この後……。良かったら一緒にドライブでも」
急な提案に驚きはしたけれど。
断るなんて、最初から思いもしなかった。
だからすぐに頷いて返す。
「はい、歓んで」
どんな関係なのか、上手くは説明出来ないけれど。
こうして一緒にいられる事が嬉しくて、落ち着いて。
今の自分にとって欠かせないものになっているのは確かだから。
側にいたい。
貴方が許してくれる限り。
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Reservoir Amulet