兆し.17


「でも、静嵐は納豆好きですよね。私、普段はあまり食事に出せませんから、今日は……」

「そんな事を言った覚えは無い」

「ですけど、好きでしょう?分かりますよ。半年も一緒に暮らしていれば、食べ物の好み位は」

今まで意識した事も無かったが、考えてみれば確かに霄瓊が作る料理は静嵐の口に合った。

その味付けも、いつも不思議な程口に合う。

しかしよく思い返してみると、それは霄瓊と初めて会い契約したあの日からだった。

何かが胸の奥に引っ掛かり、隣の少女に目を向ける。

視線の先では霄瓊が納豆のパックを両手に持って、まだ難しい顔をしていた。

どうやら今度は二個入りにするか三個入りにするかで悩んでいるらしい。

- 105 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet