兆し.20


静嵐が自分でも気付かない部分まで見透かすようで。

だからだろうか。

その問い掛けが、やけに胸に落ちるのは。

「それを叶える為に私に出来る事があれば、協力しますから」

「……何故だ」

「何故って、それは、ええと……」

霄瓊はしばらく言葉を探してから言った。

「夕食代を出して頂くお礼です」

「随分安上がりだな」

「理由なんて、どうだって良いじゃないですか」

いつも見ている微笑みが、何処か寂しげに見えた。

何かが胸の奥から呼び掛けて来るような、奇妙な感覚は消えない。

波打つ感情は止められないまま、どんどん大きくなる。

それは今の自分自身が根底から揺れ動かされるようで。

自らの願いが分からない、今の自分は。

本当にこれが自分自身なのか、疑わしくなって来る。





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