戦いの夜.17


これ以上毒が体内に回らないよう、霄瓊は咄嗟に傷口に唇を付けた。

毒を含んでいる血を口で吸い出しては地面に吐く。

それを何度か繰り返してから、自分の服を切り裂いて傷口を縛った。

そして静嵐の頭を自分の膝に乗せ、地面に置いたままの銃を取り上げて弾を込める。

再び銃を元のように身に付けると、静嵐の腕を自分の肩に回しながら立ち上がった。

ビルまで帰り着ければ安全で、薬も解毒剤もある。

何としても、あそこまで辿り着かなくては。

しかし静嵐の意識が無い今、ビルがどちらの方向にあるのか見当も付かない。

『気配があるから分かる』

(落ち着いて、気配を……)

自分に言い聞かせて神経を研ぎ澄ました時、確かに何かを感じた。

それは細い糸のように頼り無く微かだけれど。

共鳴のように呼び寄せられる。

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