戦いの夜.18


霄瓊はその気配を辿って歩き出した。

すぐ近くに感じる静嵐の呼吸は乱れていて、衣服越しに伝わる体温もかなり高い。

一刻も速くビルに帰って休ませ、治療をしなければならない。

けれど静嵐の体重を支えながら歩いている為、中々思うようには進まない。

いつの間にか、辺りはすっかり暗くなっていた。

夜になれば、生き物の動きはより活発になる。

ビルに戻る道行きで、戦闘は避けられないだろう。

例え何があろうと、倒れる訳には行かない。

次第にずり落ちて来る静嵐の体を支え直して、汗の浮かぶ顔で微笑む。

「どんなに絶望的な状況だとしても、笑っていれば驚く程容易く越えて行ける事もある。だから、静嵐。私は諦めません」

どんなに絶望的に思えても。

不可能な事だと思えても。

信じていれば、笑顔でいれば。

その思いの強さで、変わって行くから。

越えてみせる、どんな壁も。

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