戦いの夜.21


あの時、普段なら迷わず敵を倒すのを優先する筈の静嵐が、それとは違う行動を取った。

力の制御に疲れ切っていた自分を守る方を取った。

こんな事を考えるべきでないと分かっているのに。

あの一瞬、貴方はまるで。

きっと許される筈の無い考えで。

自分の目的を果たす為には邪魔としかならないけれど。

それでも、あの刹那の彼の表情だけで充分だと思えた。

もう他には何もいらない。

全てが報われたから。

だからこの先、いつかこの脆い絆が壊れるのも惜しくはない。

今はただ、刹那の記憶でこの身を支えて。

長い道程を、夜を越えて行く。





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