戦いの夜.25


状況が理解出来ずに、その疲れ切った寝顔を眺めていると、不意に足音が近付いて来た。

「おっ、静嵐。もう目が覚めたのかよ。凄い回復力だな」

歩み寄って来た湧碕は、ほっとしたように息をつく。

「まさかお前が倒れるなんて、びっくりしたんだぜ」

眠っている霄瓊に気を遣っているのか、普段より小さな声で続ける。

「霄瓊ちゃんに感謝しろよ。お前を支えながら此処まで帰って来たんだからな。雨が降ってる夜に、外を歩いてさ」

話しながら、労るような瞳で霄瓊を見詰める。

「着いた時も、自分だって怪我だらけで今にも倒れそうなのに、お前の面倒見てさ。全く、見てて妬けたぜ」

湧碕は冗談めかした口調の中に、いつに無く真剣な響きを込めて言った。

「本当、見た目はか弱い女の子だけどさ。実は凄く強い娘なんだよな。静嵐、そこんとこをちゃんと見てやれよ。お前に必要なのは、いつも側にいてくれる優しくて強い存在だろ」

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