戦いの夜.29


そうしておいても、いずれ目を覚ましてビルまで帰る事は出来た。

例え生き物に食い裂かれようと、この身は死なない。

それが幸いなのか、縛り付ける呪いなのかは分からないけれど。

「何を馬鹿な事を言っているんですか!」

突然霄瓊が怒り出して、静嵐は目を見張った。

普段は大抵穏やかに笑っている事の多い霄瓊が怒るところなど初めて見た。

「もしも大丈夫だとしても、倒れた人を見捨てるなんて出来る筈が無いでしょう!どんな理屈も関係ありません。傷付いた人がいたら助けるのは当たり前です!」

霄瓊は腰に手を当てて更に言う。

「大体静嵐は私を庇ってくれたのに、それを放っておくなんて恩知らずにも程があります。あそこで貴方を見捨てるなんて、そんなの私じゃありません。そんな事をしたら、私の方が死んでしまいます」

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