クリスマス.05
「こんな事を言っては、貴女の彼氏に怒られてしまいますね」
やがて、黒曜が思い出したように言って手を離した。
「彼氏……?」
「どうしました、そんな不思議そうな顔をして。いつも送り迎えをしている彼の事ですよ。きっとさぞ心配したでしょう」
「そうではないと思いますけど」
彼氏などではないと訂正するのも忘れ、霄瓊は考え込んだ。
「でも最近、何だか元気が無いような気がするんです。あの人は何も話さないから、余計に分かるんです」
言葉にしなくても、伝わって来るものがある。
それは些細な表情の変化であり、ほんの僅かの動作の違いでもあった。
言葉が無い分、見逃してしまいそうな小さな揺れにも気付ける。
「そう分かっても、何も出来なければ何の意味も無いんですけど」
溜息をつくと、黒曜が興味深そうに尋ねた。
「あの人って、彼の事ですよね。元気が無いとはいつからですか。具体的には、貴女が怪我をするよりも前ですか、後ですか?」
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