クリスマス.06


「え?ええと、はっきり分かったのは後です。でもその兆しのようなものは、もう少し前からあったような気がします」

「ほう、成程。ふむ、そうですか」

「あの、店長さん……?」

一人で何処か楽しげに思案を始めた黒曜に向かって、霄瓊はおずおずと口を開く。

「ああ、すみません。つい色々と想像を巡らせてしまいました。僕の冴え渡る勘が正しければ、これはかなり面白い事になりそうですね」

「はい?」

「いえいえ、こちらの話です。頑張って下さいね、霄瓊さん。僕は貴女の味方ですから」

見上げた瞳は、絶望の極みを知る者のようで。

奇跡など起こらないと思い知りながら、それでも。

求める事を止められない己の愚かさを嘲笑しているようで。

この人も自分と同じなのではないかと、霄瓊は思った。





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