クリスマス.08


霄瓊はしばらく立ち尽くした後、結局一人で歩き出した。

俯いたまま華やかな通りを足早に通り過ぎ、何かから逃げるようにひたすら足を動かす。

わざと何も考えないようにしながら歩いていたのに、ふと顔を上げて見えた風景に思わず溜息をついた。

人気の無い裏路地が行き止まりになるコンクリートの壁を、指を伸ばしてそっとなぞる。

確か、この辺りだった筈だ。

静嵐と契約した日、こちらに紛れ込んだ生き物を倒して初めて綴じた綻びは。

あの日はまだ夏が来る前で。

自分の成すべき事は分かっていたけれど、それが正しい訳は無いと知っていて。

上手く行くのか、やはり無理なのかと考えて。

だからこの場所で、初めて巨大な生物を見て。

黒い翼を持つ影が舞い降りた瞬間。

嬉しかったのか、悲しかったのかは自分にも分からない。

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Reservoir Amulet