クリスマス.11


静嵐は、恐らく昼寝から覚めたばかりの寝起きなのだ。

よく見れば髪もいつもより乱れてはねているし、コートも着ていない。

よりにもよって寝ていた静嵐を強制的に呼び出してしまったと気付き、霄瓊は今更ながら焦った。

静嵐の寝起きの悪さはよく知っている。

その上約束を守らず一人で此処まで来たとなれば、機嫌が悪くなるどころではないかもしれない。

普段はバイトが終わる時間に合わせて、きちんと支度をしているようなのに。

今日に限って、何とタイミングの悪い事か。

静嵐は霄瓊に視線を戻すと、険しい顔で見下ろして口を開いた。

「……泣いていたのか」

「えっ?」

思いがけない言葉にぽかんとした霄瓊は、探るように自分を見詰める瞳に気付いて慌てて首を振る。

「いいえ、そんな事は」

そう言い掛けて、ふと口をつぐむ。

静嵐が自分を気遣うなんておかしい。

何かあったとしか思えない。

霄瓊は急いで立ち上がり、背伸びをして静嵐の額に手を当てた。

「何をしている」

「良かった、熱はありませんね。でも油断しては駄目ですよ。風邪が流行っているそうですし、静嵐はまだ体調が万全ではないのですから」

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