クリスマス.15


「駄目ですよ。こんな大きなツリー、買っても持って帰れませんから」

静嵐の意図を察したのか、霄瓊が素早く口を挟んで来た。

「俺を見くびるな」

「え?いえ、そうではなくて。こんな大きいツリーを何処に飾るんですか。静嵐の寝る場所が無くなってしまいます!」

青い顔で必死に止められて、それもそうかと考え直す。

「あれならどうだ」

視線を巡らせ、店の中に並んでいるテーブルに乗る小さなツリーを示した。

「あ……。可愛いですね」

思わず顔をほころばせた霄瓊を見て、それ以上は聞かずに店に入る。

「このお店、ツリーだけじゃなくて可愛い物が沢山ありますね」

先程まで一人で慌てていた事などすっかり忘れた様子で、霄瓊は楽しそうに店内を見回す。

その視線が、ある一点に止まった。

「何か気になるのか」

尋ねると、はっとしたように首を振る。

「いいえ、何でもありません」

静嵐はしばらくその顔を見てから、持っていた袋と箱を霄瓊に押し付けた。

「これを持って外で待っていろ。買ったら行く」

「あ、はい。分かりました」

素直に頷いた霄瓊が荷物を抱えて店を出て行った後、先程彼女が気にしていた物を見る。

そこにあるのは、寄り添う一対の翼。





- 160 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む

表紙へ

ページ:



Reservoir Amulet