鎖.07


「…………」

「駄目ですよ。静嵐だって疲れているのは同じなんですから」

「…………」

「いいえ、放しません。店長さんと積もるお話もあるでしょうから、とにかく入りましょう」

そんなやり取りの後で共に歩き出す二人の様子に、黒曜が感心して呟く。

「すっかり以心伝心ですねえ。さすが霄瓊さん、大したものです」

自分では気付いていないだろうが、静嵐があんなに側に誰かがいる事を許しているのは初めて見た。

だからだろうか、つい錯覚をしてしまいそうになる。

叶わない願いも、変わらない未来も、彼等ならば或いは。

閉ざした過去が晒された時、そこに何を思うのか。

絶望を知り闇に触れても、更に進む事を選び取るなら。

きっと新たな道が拓けるだろう。

彼等ならば、或いは。





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